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静かに、確かに、思い出を残して──内装解体の現場で感じたこと

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こんにちは。森下です。

先日、あるマンションの一室で内装解体の工事を行いました。
ご依頼主は、長年その部屋で暮らしてきたご年配の女性。
「息子家族と一緒に住むことになって、この部屋はリフォームして貸すことになったんです」
そう話してくださいました。

一見シンプルな解体工事に見えても、住まいというのは人の人生が染み込んだ空間です。
私たちは、そこにある“思い出”に敬意を払いながら作業にあたるよう、常に心がけています。

現地調査の際、部屋の隅に小さなピアノが置かれていました。
「これは娘が小さい頃に使っていたんですよ。捨てるにはまだ勇気が出なくて…」
そう言って、奥様がピアノの蓋をそっと開ける姿に、ただの内装解体ではない、大切な時間の節目を感じました。

工事の前日、奥様から「ひとつだけお願いがあるんです」と言われました。
「この部屋の壁に、孫が描いた落書きがあるんです。どうしても写真に残したくて」
私たちはもちろん快諾し、作業前にその部分を丁寧に養生し、奥様と一緒に記念写真を撮らせていただきました。

解体当日、室内の造作や仕上げ材を静かに、慎重に剥がしていきます。
ハンドツールを使い、騒音や粉じんを最小限に抑えながら、内装を一つずつ解体していく作業。
奥様は時おり差し入れを持ってきてくださり、「暑い中ありがとうね」と笑顔を見せてくれました。

作業が終わり、すっかりスケルトンになった室内を見て、奥様はふと立ち止まり、こうおっしゃいました。

「こんなにきれいにしてくださって、本当にありがとう。
なんだか、部屋も“ありがとう”って言ってるみたいですね」

その言葉に、私たちの疲れもふっと消えるような気がしました。