内装解体の難所ベスト5
「ただの内装解体でしょ?壁と床を壊すだけじゃないの?」
そう思っていたら大間違い。
内装解体には、現場によって驚くほどの“クセ”や“難しさ”が潜んでいます。
今回は、これまでの経験から「これは要注意!」と感じる難所を5つピックアップしてご紹介。
これから依頼を考えている方、現地調査前のチェックにもおすすめです。
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■ 難所1:地下階のテナントや店舗
何が大変?
• 搬出経路が狭い/階段しか使えない/エレベーターが小さい
• 廃材をすべて地上まで運ぶ必要があり、人力作業が増える=コスト増加
• 湿気や換気の問題で、粉じん・臭気対策が強化される場合も
対策ポイント:
• 養生・搬出経路の確認は必須
• 作業時間帯の調整(早朝や深夜の静音搬出など)
• 空調や排気設備が使えるかもチェック
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■ 難所2:繁華街・駅前ビルの上層階
何が大変?
• 共用エレベーターの使用制限(時間帯指定、搬出専用エレベーターなし)
• 他テナントとの調整が必要(クリニック、美容室、オフィスなど)
• 騒音・振動トラブルが発生しやすい環境
対策ポイント:
• 管理会社・テナントとの作業計画共有と事前説明
• 静音工法(ハンドクラッシャー等)の導入
• 近隣挨拶とクレーム対応体制の事前整備
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■ 難所3:狭小現場・細かい間仕切りの多い構造
何が大変?
• 手作業中心になるため、作業効率が落ちる
• 廃材の一時保管スペースがないと、搬出の回数が倍増
• 解体中に壁裏の配線や配管を傷つけるリスクが高まる
対策ポイント:
• 解体前に図面・配線図の確認(なければ目視調査)
• 職人のスキルに依存 → 経験豊富な作業員配置が必須
• 廃材の逐次搬出 or 一時保管スペースの確保
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■ 難所4:築年数が古い建物(築30年以上)
何が大変?
• アスベストや有害建材のリスク(未調査だと工事中断の可能性)
• 解体すると構造が露出し、補修の必要が出ることも
• 電気・ガス・水道などの設備が図面と違っているケースも多数
対策ポイント:
• 着工前のアスベスト事前調査はマスト
• 現地調査を丁寧に行い、“開けてみないとわからない箇所”を特定
• 工期・費用に予備マージンを確保しておく
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■ 難所5:飲食店・厨房設備がある現場
何が大変?
• グリストラップ・排水管・ダクトなど特殊設備の撤去が必要
• 配管やダクトの汚れ、臭気対策、処理が大変
• 重量物(冷蔵庫、什器など)が多く、搬出に人手と時間がかかる
対策ポイント:
• 設備の所有権の確認(残置物ではないか?)
• グリストラップの撤去は専用業者が必要なことも
• 搬出順序と人員配置を事前にしっかり計画
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■ まとめ:「内装解体=簡単」ではない。現場の条件で難易度は激変する
同じ広さでも、現場条件が違えば解体の難易度も、費用も、工期もまるで変わってきます。
「内装解体だから軽く見てた…」とならないように、
• 現地調査をしっかり受ける
• 調査の段階で“気になる条件”を正直に伝える
• 経験豊富な業者に任せる
この3つを意識するだけで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
“壊す現場”ほど、繊細な段取りが必要。
それが、プロの解体工事です。